
産業カウンセラーは、心理学的な手法を用いて働く人のもっている諸問題を解決していく手助けができるカウンセラー資格です。日本産業カウンセラー協会が試験を行っています。
〇産業カウンセラーとは?
産業カウンセラーは、「一般社団法人 日本産業カウンセラー協会」が実施している民間試験です。
心理学的な手法を用いて、労働する方々が抱えている諸問題を解決するカウンセラーとしての技能が備わっている方です。心理学的なカウンセラー的な民間資格はかなりあり、心理カウンセラー(相談員)や心理セラピスト等数多いです。産業カウンセラーは以前まで労働省時代においては技能審査試験であった為に知名度はかなり高いです。
〇産業カウンセラー試験の受験資格
産業カウンセラー試験の受験資格には次の3つがあります。
http://www.counselor.or.jp/examination/tabid/111/Default.aspx
- 成年である20歳に達した者で、同協会が行う「産業カウンセリング」の講座を修了した者
- 4年制大学学部において心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学等の専門科目で所定の単位を取得して、かつ1の研修を修了した者
- 大学院において心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学等の専門科目で所定の単位を取得した者
上記の受験資格の中で、ほとんどの受験生が1の同協会が実施する講座を受講しています。「学士」対象産業カウンセリング実習講座と呼ばれる講習で4日間、計28時間の授業です。
http://www.counselor.or.jp/examination/tabid/114/Default.aspx
〇産業カウンセラー試験内容
産業カウンセラー試験は以下の通りに実施しています。
- 試験日:例年1月に実施されます。
- 試験科目:学科試験と実技試験の計2日間行われます。学科試験はカウンセリングに関する問題によるマークシート方式で40題程度と、カウンセリングの基本的な事例や傾聴の技法を問うマークシート方式の20題程度が出題されます。実技試験は別の日に実施され、ミニカウンセリングと口述試験が実施されます。
- 試験免除者:学科試験に合格した者が、実技試験が不合格になった場合には翌年と翌翌年度も受験できます。その場合に学科試験が免除されて実技試験を直接受験出来ます。
- 合格率:おおよそですが、学科試験が約7割程度、実技試験も約7割程度となっています。
〇産業カウンセラーの活用等
産業カウンセラーとしての資格を、職場で実際に使用しているかの調査を同協会が実施したところ約15%程度にとどまっています。ほとんどの方が、自分のキャリアアップやスキルアップとしては大変有効的だったという回答でした。収入の面からも反映されていないというのが実情のようです。日本では傾聴という心理学的手法による相談をすることが、活発でもなく内に閉じ込める労働者が多いという慣習も問題となっています。それでも近年のストレス社会では、うつ症状で自分の心と身体を壊してしまう労働者も聞くようになってきていますので少しずつかもしれませんが、カウンセラーとしての有効的な活用が増えていくことでしょう。